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天文学:超軟X線源としてのヘリウム燃焼している白色矮星連星
Nature 615, 7953 doi: 10.1038/s41586-023-05714-4
Ia型超新星は宇宙空間における距離の指標であり、宇宙における鉄の主要な供給源であるが、その形成経路はいまだ議論が続いている。縮退していないドナー星から白色矮星への水素に富む物質の降着という超軟X線源が数十例観測されており、これらはIa型超新星の前駆天体であると示唆されている。しかし、超新星爆発の間にドナー星の外層から剥ぎ取られると予想される水素の観測的な証拠は存在しない。ヘリウムを降着する白色矮星は、この問題を回避できると思われ、超軟X線源としての出現を含め30年以上にわたって予測されてきたが、これまで発見されていなかった。本論文で我々は、ヘリウムが完全に支配的な可視光スペクトルを持つ降着円盤を伴い、ドナー星が水素を含まないことが示唆される超軟X線源について報告する。我々は、この明るい超軟X線が、降着を受けている白色矮星の表面付近でのヘリウム燃焼に起因すると解釈する。今回の系の特性からは、ヘリウム降着に基づくチャンドラセカール質量の爆発へと拡張された経路、具体的には、これまで予想されていたよりも低い降着率での白色矮星の安定な燃焼を示す証拠が得られた。これによって、全Ia型超新星の最大30%を占める、低エネルギーのいわゆるIax型超新星の種族が、このシナリオの範囲内に収められる可能性がある。

