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植物科学:アブラナ科植物では柱頭の受容体が種内および種間の障壁を制御する
Nature 614, 7947 doi: 10.1038/s41586-022-05640-x
顕花植物は、望ましくない子孫が生じるのを避けるために、接合前に働く種内および種間の生殖障壁を多数進化させてきた。種内では、自己の花粉を拒絶して近交弱勢を防ぐ、自家不和合性(SI)機構が広く用いられている。一方、種間の花粉は、SI雌ずいでは一側性不和合(UI)だが、自家和合性(SC)雌ずいでは一側性和合(UC)となる、SI × SC則に従う。アブラナ科植物でのSI、UI、SC、UCの基盤となる分子機構や、それらの相互接続についてはいまだ解明されていない。今回我々は、SI花粉の決定因子であるSCR/SP11(S-locus cysteine-rich protein/S-locus protein 11)あるいはUI花粉からのシグナルが、SIの雌性決定因子であるSRK(S-locus receptor kinase)に結合して、FERONIA(FER)を動員し、SI柱頭でのFERを介した活性酸素種の産生を活性化して、不和合性花粉を拒絶することを示す。和合応答では、SC花粉とUC花粉由来の分岐したBクラスの花粉コートタンパク質が差次的に一酸化窒素を誘発してFERをニトロソ化し、SC柱頭で活性酸素種を抑制して、種内選択的に花粉の成長を促進し、種の完全性を維持する。これらの結果は、SRKとFERが種内および種間の生殖障壁の基盤となる機構を統合していることを示しており、アブラナ科作物での遠縁種間の育種を実現するための道を開くものである。

