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地球科学:アイスランドのファグラダルスフィヤル火山における深部マグマ供給源の急速な変化

Nature 609, 7927 doi: 10.1038/s41586-022-04981-x

アイスランドにおける最近のリフト活動によって、大洋中央海嶺の火成活動の重要な特徴である、集中した地殻のマグマだまりとマグマの水平方向の輸送の役割に光が当てられている。そうした浅い地殻のマグマ過程の結果として、マントル最上部と地殻最下部のメルトの起源、進化、輸送をたどる痕跡が刷り込まれる。今回我々は、アイスランドのレイキャネス半島にあるファグラダルスフィヤル火山の2021年の噴火についての、岩石学研究と地球化学研究の統合から得られた、この地域で起こった過程に関する他に類のない手掛かりを提示する。噴火の最初の50日間に噴出した玄武岩の地球化学的分析結果を、これに伴うガスの放出と組み合わせることで、モホ面に近いマグマ貯留地帯からのマグマの直接供給が明らかになった。マントルの異なる組成や溶融条件を示す地球化学的な代理指標は、全球の個々の玄武岩噴火には並ぶもののない速さで変化していた。初期には、噴出した溶岩は最浅部のマントル起源のメルトが支配的であったが、その後の3週間でより深部で生成されたマグマが支配的になっていった。この並外れて急速な噴出物組成の変化傾向から、マントルの信号を取り除いた先例のないマグマ混合の時間的記録が得られた。この記録は、107~108 m3の玄武岩マグマを含むモホ面近傍のメルトレンズ内での処理と一致する。これまで近づくことができなかった重要なマグマ処理帯がほぼ実時間で調べられたことで、玄武岩マグマ系の時間スケールと作用モードに関して新たな知見が得られた。

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