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生化学:PI3KはビタミンB5からの補酵素Aのde novo合成を推進する

Nature 608, 7921 doi: 10.1038/s41586-022-04984-8

クラスIのホスホイノシチド 3-キナーゼ(PI3K)シグナル伝達ネットワークは、ホルモンや増殖因子に応答して、代謝や増殖の主要な調節因子として働き、細胞の栄養素取り込みやエネルギー産生を制御し、補因子の産生や巨大分子の生合成を減少させる。最も再発の多いがんでのドライバー変異には受容体型チロシンキナーゼやRas、PTEN、PI3Kなどの変異が含まれ、その多くがPI3Kシグナル伝達を病的に活性化する。しかし、PI3Kによって制御される中核的な代謝プログラムの解明はほとんど明らかになっていない。今回我々は、質量分析法に基づくメタボロミクスの方法と同位体追跡を用いて、PI3Kシグナル伝達が、代謝系の最も重要な補因子の1つである補酵素A(CoA)のde novo合成を促進することを明らかにした。CoAは、細胞では活性化アシル基の主要な担体として働き、システイン、ATPと必須栄養素であるビタミンB5(別名パントテン酸)から合成される。我々は、パントテン酸キナーゼ2(PANK2)とPANK4が、PI3KのエフェクターキナーゼであるAKTの基質であることを突き止めた。PANK2がCoA合成反応を律速する第一段階を触媒することは知られているが、最小限の性質しか分かっていないが高度に保存されているPANK4が、代謝物に対するホスファターゼ活性を介してCoA合成を律速する抑制因子であることが、今回明らかになった。AKTによってPANK4がリン酸化されると、この抑制が解除される。つまり、PI3K–PANK4軸は、アセチルCoAなどのアシルCoAの存在量、脂質代謝や増殖のようなCoAに依存した過程を調節している。我々は、このような調節機構が、ホルモン/増殖因子、あるいはがん遺伝子が駆動する代謝や増殖の需要に見合うように、細胞のCoA供給を調整していると提案する。

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