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代謝:ショウジョウバエのセストリンはロイシン含量の低い食餌の感知とそれに対する適応に関わっている

Nature 608, 7921 doi: 10.1038/s41586-022-04960-2

mTORC1(mechanistic target of rapamycin complex 1)は、必須アミノ酸であるロイシンをはじめとする多数の栄養素に応答して細胞の成長と代謝を調節している。哺乳類の培養細胞で行われた最近の研究により、セストリンがロイシン結合タンパク質であり、ロイシン欠乏時にmTORC1シグナル伝達を阻害することが明らかにされたが、食餌にロイシンが欠乏した際の生物の応答に、セストリンがどのような役割を果たしているのかはよく分かっていない。今回我々は、Sestrinヌルのショウジョウバエ(Sesn−/−)は、急性のロイシン飢餓後にmTORC1の阻害やオートファジーの活性化ができないこと、またロイシンの少ない食餌では発生が障害され、寿命が短くなることを明らかにした。ロイシンと結合できないセストリン変異体を発現するノックインショウジョウバエ−はmTORC1活性が低く、ロイシンに反応しない。注目すべきことに、ショウジョウバエはロイシンを含む食餌と含まない食餌を区別できて、ロイシンを含む食餌を好んで食べ、子孫を残す。このような嗜好性は、セストリンとそのロイシン結合能に依存している。ロイシンはグリア細胞でmTORC1の活性を調節し、グリア細胞のSesnをノックダウンすると、ショウジョウバエのロイシンを含まない餌を見分ける能力が低下する。従って、ショウジョウバエにとってmTORC1による栄養素の感知は、必須栄養素の欠乏した餌に適応するためだけでなく、そういう餌を見分けるためにも必要である。

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