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生態学:花粉媒介者を巡る競争は植物の共存を不安定にする

Nature 607, 7920 doi: 10.1038/s41586-022-04973-x

花粉媒介者の世界的な減少に対する懸念の高まりから、花粉媒介者が植物多様性の維持で担う役割の研究がますます求められている。理論では、花粉媒介者を巡る競争は、ニッチ分化の機会を提供することで植物種間の相互作用を安定化し得ると同時に、排除を促すような競争的不均衡を駆動し得ると予測されている。今回我々は、花粉媒介者を巡る競争を、植物の共存への長期的な影響を予測する方法で操作することにより、これらの対照的な影響を実験的に検証した。我々は、一年生植物個体を、実験的に設けた隣接個体密度の勾配に沿って配置し、環境中の昆虫による受粉、または花粉媒介者を巡る競争を緩和する花粉添加処理(人工受粉)のいずれかの条件で実験を行った。これらの植物個体の生命に関わる諸率(vital rates)によって、種の共存の重要な理論的指標を予測する植物個体群動態モデルに有用な情報が得られた。花粉媒介者を巡る競争は、概して植物種間の相互作用を不安定にし、共存が期待されるペアの比率を低下させた。また、花粉媒介者との相互作用も植物種間の競争的不均衡に影響を与えており、そうした影響は花粉媒介者の減少とともに強まると予想され、これによって植物の共存が妨げられる可能性がある。実際、花粉媒介者の減少をシミュレートした実験の結果、訪花が大幅に減少した植物種では、個体群成長速度の低下の規模も大きくなることが示された。今回の結果は、花粉媒介者を巡る競争が、相互作用を不安定にして競争的不均衡に寄与することで植物の共存を弱化させる可能性があることを明らかにしており、これは、花粉媒介者減少の影響を解釈する上で極めて重要な情報である。

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