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気候科学:融解水に対するしきい値応答がグリーンランドの大規模な底面弱化をもたらす

Nature 607, 7920 doi: 10.1038/s41586-022-04927-3

グリーンランドの氷の速さは、主に底面の動きによって決まり、底面の動きは、氷の底部への融解水の輸送によって調節されている。融解速度が増すにつれ氷河下の排水ネットワークの能力が高まって底面の水が排水され、底面の摩擦が増大して氷の動きが遅くなることが、証拠によって示唆されている。これによって、気温上昇に伴い質量損失を増大させる融解水強制の可能性が制限される。今回我々は、融解水強制は氷のダイナミクスに大きな影響を及ぼすが、融解速度以外の要因がその影響を主に支配していることを示す。我々は、グリーンランド西部全体の摩擦変動を調べる手法を用いて、融解水強制の主な影響は、底面強度の南北方向の急激な変化であり、融解水生成量の変化では説明できないことを示す。南部の浸食地域は、融解水がない地域と比べて20~40%弱化しているが、グリーンランド北部では浸食地域は強化されている。我々は、こうした弱化は底面における持続的な貯水と矛盾せず、しきい値は、すべりと、底面を排水する排出流路内の圧力を主に支配している水ポテンシャル勾配の差に関連していることを示す。こうした特性は主に、末端が陸地と海洋のどちらで終わっているかによって決まり、気温が高くなると、質量損失を増大させる動的変化がグリーンランド北部で起こる可能性があることを示唆している。今回の結果は、百年スケールの氷床進化のシミュレーションを改善する、こうした知見の物理的表現を提示している。

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