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分子物理学:マイクロ波遮蔽された極性分子の蒸発による量子縮退
Nature 607, 7920 doi: 10.1038/s41586-022-04900-0
極低温極性分子は、強い電気双極子モーメントや豊かな内部構造をもたらすため、エキゾチックな量子物質を探索し、量子情報スキームを実現し、自然の基本対称性を検証するための理想的な構成要素である。その潜在能力を最大限実現するには、相互作用する分子気体を冷却して量子縮退領域に深く入り込む必要がある。しかし、短距離の分子間衝突が本質的に不安定であるため、三次元における量子縮退への弾性衝突による直接冷却は、これまでできていなかった。今回我々は、マイクロ波遮蔽を用いて、フェルミオンであるナトリウム–カリウム分子の三次元気体を、フェルミ温度を十分下回る温度まで蒸発冷却したことを実証する。この分子は、回転状態を青色離調円偏極マイクロ波と結合させることで操作された斥力障壁によって、距離が短くならないように保護されている。こうしたマイクロ波ドレッシングは、分子間に調整可能な強い双極子相互作用を誘起して、非弾性衝突速度の少なくとも460倍を超え得る高い弾性衝突速度をもたらす。非弾性衝突に対する弾性衝突のこの大きな比によって、この分子気体を、フェルミ温度の0.36倍に相当する21 nKまで冷却することが可能になった。このような低温で高密度の極性分子試料は、双極子相互作用の強い多体現象の探索への道を開く。

