Article

免疫療法:アンドロゲン受容体の遮断はBRAF/MEK標的療法への応答を促進する

Nature 606, 7915 doi: 10.1038/s41586-022-04833-8

BRAFとMEK(BRAF/MEK)を標的とした治療法は、黒色腫などのがん治療に大変革をもたらした。しかし、治療抵抗性が生じることも多く、革新的な治療戦略が必要とされている。今回我々は、ネオアジュバントBRAF/MEK標的療法を受けた黒色腫患者集団を対象に研究を行い(NCT02231775、n = 51)、男性患者に比べて女性患者では、病理学的奏効[MPR(major pathological response;切除時の生存腫瘍が10%以上として定義される)]が有意に高く、無再発生存率(RFS)も高いことが分かった[MPRは女性で66%、男性で14%(P = 0.001); 2年後のRFSは女性で62%、男性で32%(P = 0.021)]。この知見は、BRAF療法とMEK療法のどちらかまたは両方を受けた切除不能な転移性黒色腫患者の複数の追加コホートで検証され(全患者数n = 664)、これらの研究のいくつかで、男性に比べて女性での無増悪生存期間と全生存期間の改善が実証された。前臨床モデルでの研究では、BRAF/MEK標的療法後に、雌と比較して雄のマウスで抗腫瘍活性の有意な低下が実証され(P = 0.006)、BRAF/MEK治療した雄と雌のマウスは対照群に比べて、腫瘍でのアンドロゲン受容体の発現が有意に上昇していた(P = 0.0006とP = 0.0025)。アンドロゲン受容体シグナル伝達の薬理学的阻害は、雄と雌のマウスでBRAF/MEK標的療法への応答を改善し(P = 0.018とP = 0.003)、一方、テストステロン投与によるアンドロゲン受容体シグナル伝達の誘導は、男性と女性の患者でBRAF/MEK標的療法への有意な応答低下と関連していた(P = 0.021とP < 0.0001)。以上より、これらの結果は治療に重要な意義がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度