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発生生物学:胚で生じた血液前駆細胞が一生にわたって多数の細胞系譜へ関与する

Nature 606, 7915 doi: 10.1038/s41586-022-04804-z

造血幹細胞(HSC)は胚において、内皮–造血転換(EHT)として知られる過程を介して動脈内皮から生じる。この過程により数百の血液前駆細胞が生じ、そのうちの一部が最終的なHSCになる。一般に、成体の血液の大部分はこれらのHSCに由来すると考えられているが、他の前駆細胞が成体の造血にどの程度関与するかは分かっていない。今回我々は、マウスにおいて、in situバーコーディングと従来の運命マッピングを用いて、成体の血液の発生起源およびクローン起源を評価した。我々の解析から、従来のHSCとは独立に、前駆細胞の指定の初期の波がEHTの直後に始まることが分かった。これらの胚性多能性前駆細胞(eMPP)は、主に若齢成体で造血を引き起こし、時間経過とともに減少はするものの一生にわたって造血に関与し、リンパ系出力の主な供給源となる。推定eMPPは、動脈内造血クラスター内で指定される、最初期の造血前駆細胞の運命の1つである。まとめると我々の結果は、運命決定の最終波が生じる際に機能的な不均一性が見られ、これが成体の血液の異なる供給源につながることを明らかにしている。

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