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免疫療法:T細胞のアンドロゲン受容体活性によってチェックポイント阻害の有効性が制限される
Nature 606, 7915 doi: 10.1038/s41586-022-04522-6
免疫チェックポイント阻害は、固形腫瘍に永続的な抗腫瘍免疫を誘導し、腫瘍学の分野に大変革をもたらした。一方、進行前立腺がんの患者では、免疫療法による治療はほとんど失敗している。こうした患者には通常、腫瘍細胞の増殖を阻害する目的でアンドロゲン除去療法が行われており、我々は、この療法が腫瘍関連T細胞にも影響を及ぼすと仮定した。今回我々は、アンドロゲン受容体(AR)阻害の阻害が、CD8 T細胞機能を直接増強することで、腫瘍を有する宿主の効果的なチェックポイント阻害への感受性を高めることを実証する。CD8 T細胞のAR活性を阻害することで、T細胞の疲弊が防止され、IFNγ発現の上昇を介してPD-1標的療法に対する反応性が改善した。CD8 T細胞では、ARはIfngに直接結合し、小分子によってARを排除するとサイトカイン産生が大幅に上昇した。以上より我々の知見は、T細胞に固有のAR活性はIFNγ発現を抑制し、免疫療法抵抗性の新しい機構であることを明らかにしている。

