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天文学:火球段階にある新星からのX線の検出
Nature 605, 7909 doi: 10.1038/s41586-022-04635-y
新星は、降着を受けている白色矮星の水素に富んだ外層での熱核暴走反応によって生じ、これによって外層が急激に膨張して、その質量の大半が放出される。理論的には、暴走核融合の直後から続く「火球」段階の存在が予測されており、これは、新星が可視光線で見えるようになる前に、短時間の明るい軟X線の閃光として観測できるはずである。今回我々は、銀河系内の古典新星レチクル座YZ星が可視光で9等級の増光をする11時間前に、明るい軟X線の閃光を観測したことを報告する。この事象の前後それぞれ4時間の時点でX線源は検出されておらず、閃光の継続時間は8時間未満に絞り込まれた。理論的な予測と一致して、放射源のスペクトル形は、3.27+0.11−0.33 × 105 K(28.2+0.9−2.8 eV)の黒体輻射か、光球が典型的な白色矮星より少し大きいエディントン光度で放射する白色矮星の大気と矛盾しない。

