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構造生物学:芳香環のフリッピングに関連したタンパク質の呼吸様運動の可視化

Nature 602, 7898 doi: 10.1038/s41586-022-04417-6

芳香族アミノ酸残基は折りたたまれたタンパク質の中心部に集まっていて、そこで多数の相互作用により構造を安定化している。1970年代の核磁気共鳴(NMR)研究により、芳香族側鎖は、タンパク質折りたたみ構造の維持に果たすその役割にもかかわらず、環のフリッピング、つまり180°の回転を行い得ることが示された。そして、環のこのようなフリッピング事象を受け入れるには、タンパク質を取り囲む環境の大規模な「呼吸様の」動きが必要である可能性が示唆された。しかし、このような動きの構造的詳細はこれまで解明されていなかった。今回我々は、SH3ドメイン中の埋め込まれたチロシン残基の環フリッピングに伴って起こる、構造学的再配置を明らかにする。我々は、NMRを用いて、数が少なくあまり見られない状態へとチロシン側鎖がフリップすることを示し、プロテオーム規模の配列解析を行ってこの状態を安定化する変異を設計し、それによって高分解能構造をX線結晶学の手法を使って捕捉することができた。主な状態と起こることが少ない状態の間での構造移行中にチロシン環の周辺にある程度の大きさの何もない空間が生じ、これによって速いフリッピングが可能になる。我々の結果により、環のフリッピングに関連するタンパク質の呼吸様運動についての構造学的手掛かりが得られた。もっと一般的には、我々の研究は、タンパク質の局所的環境がアミノ酸側鎖のコンホメーションに影響する仕組みと、その反対(コンホメーションが局所環境に影響する)の仕組みを明らかにしており、これはタンパク質設計と構造予測に関わってくるだろう。

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