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化学生物学:作用機構に基づいたトラップによって、プロテアーゼと加水分解酵素の基質を発見できる
Nature 602, 7898 doi: 10.1038/s41586-022-04414-9
プロテアーゼなどの加水分解酵素は、ヒトゲノム中の遺伝子の2~3%にコードされていて、これらの酵素の14%は薬剤標的として現在活用されている。しかし、多くのプロテアーゼ(特に膜に埋め込まれているもの)や他の加水分解酵素の活性と基質特異性は、よく分かっていない。今回我々は、複雑な混合物と生きた哺乳類細胞中で、作用機構に基づいてプロテアーゼと加水分解酵素の基質を捉える、光で活性化されるトラップを作る方法を考案した。このトラップは、本来はセリンもしくはシステインを求核剤として使う加水分解酵素の基質を捕捉する。触媒となる求核剤を、遺伝子にコードされた2,3-ジアミノプロピオン酸に置き換えると、反応の第1段階で、安定なアミド結合を介して基質断片が酵素に共有結合したアシル酵素中間体が形成され、これによって基質の厳密な精製と識別が可能になる。我々は、哺乳類の膜内ロンボイドプロテアーゼRHBDL4などのプロテアーゼの新しい基質を複数見つけ出した。そして、RHBDL4が、小胞体に常在する1型膜貫通タンパク質の内腔側断片を切り取って細胞外空間へ出すとともに、内在性で可溶性の小胞体常在シャペロンの非カノニカルな分泌を促進することを明らかにした。また、セリン加水分解酵素と推定される網膜芽細胞腫結合タンパク質9が、ヒト細胞の芳香族アミノ酸を選択的に除去するアミノペプチダーゼであることも見いだした。我々の結果は、加水分解酵素の基質と活性を明らかにするための強力な枠組みの実例といえる。

