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物性物理学:単層ファンデルワールス・マルチフェロイック物質の証拠

Nature 602, 7898 doi: 10.1038/s41586-021-04337-x

マルチフェロイック物質は、その静的磁気電気特性や動的磁気電気特性が非常に優れているため、広く関心を集めている。特に、タイプIIのマルチフェロイック物質は反転対称性を破る磁気秩序を示し、この磁気秩序が、スピン流や逆ジャロシンスキー–守谷効果などのさまざまな機構を通して強誘電分極を直接誘起する。こうした磁気秩序パラメーターと双極子秩序パラメーターの本質的な結合から、非常に強い磁気電気効果が生じる。ナノ電子デバイスにおける磁気電気結合の利用を可能にするために、そうした本質的なマルチフェロイック特性を持つ二次元材料が長く探し求められてきた。今回我々は、遷移金属系ファンデルワールス材料NiI2の単原子層において、タイプIIのマルチフェロイック秩序を発見したことを報告する。NiI2のマルチフェロイック状態は特定の掌性のねじ型スピンらせんを特徴とし、これが電荷自由度と結合して、カイラリティー制御された電気分極が生じる。我々は、円二色性ラマン測定を用いて、磁気カイラル基底状態と、動的磁気電気結合に由来するエレクトロマグノンモードを直接調べた。そして、複屈折測定および第二高調波発生測定と理論モデル化およびシミュレーションを組み合わせることで、三回回転対称性と反転対称性を同時に破り、極性秩序を維持する高異方性電子状態を検出した。意外なことに、温度と層数の関数としての光学的特徴の変化から、磁気極性秩序状態が、薄膜の極限である単層のNiI2まで持続することが明らかになった。こうした観測結果は、NiI2や遷移金属二ハロゲン化物を、二次元極限における創発的なマルチフェロイック現象、カイラル磁気テクスチャー、強誘電性を研究する新しいプラットフォームとして確立するものである。

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