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材料科学:対称性の低い結晶における双曲型せん断ポラリトン

Nature 602, 7898 doi: 10.1038/s41586-021-04328-y

結晶の格子対称性は、その物性を決定する上で最も重要な要素の1つである。特に、対称性の低い結晶からは、光の伝播、偏光、位相を制御する強力な機会が得られる。極端な光学異方性を特徴とする物質は双曲型応答を支えることができ、これによって、光の高指向性伝播と深サブ波長スケールへの圧縮を伴う、ポラリトンとも呼ばれる、光と物質の結合相互作用が可能になる。今回我々は、単斜晶系結晶において、誘電応答のせん断現象に起因して中赤外から遠赤外の領域に現れる、双曲型せん断ポラリトンという新種のポラリトンが生じ得ることを示す。この特徴は、誘電テンソルを対角化できない物質、すなわち、直交していない相対方位の複数の振動子が光学応答に寄与する、対称性の低い単斜晶系や三斜晶系の結晶に現れる。双曲型せん断ポラリトンは、直方晶系や六方晶系の結晶における双曲型フォノンポラリトンのこれまでの観測結果を補うものであり、周波数とともに連続変化する伝播方向、波面の傾斜、非対称な応答などの新たな特徴が明らかにしている。こうした物質の誘電応答における対角損失現象と非対角せん断現象の相互の影響は、新しい形の非エルミート状態やトポロジカルフォトニック状態に影響してくる。我々は、今回の結果が、地質鉱物、多くの一般的な酸化物、有機結晶を含む対称性の低い物質におけるポラリトン物理の新しい方向性を探る動機付けとなり、物質の基盤を大きく拡大し、コンパクトなフォトニックデバイスの設計機会を広げるものと予想する。

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