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気候科学:将来の降水量変化に関する新たな制約条件
Nature 602, 7898 doi: 10.1038/s41586-021-04310-8
地球システムモデルに基づく全球平均降水量の変化(ΔP)の将来予測の不確かさは、全球平均気温の変化(ΔT)の予測の不確かさよりも大きい。これまで、ΔTに関する観測的制約は数多く提案されてきたが、ΔPに関する制約はあまり研究されておらず、エアロゾルが降水量に及ぼす影響が大きいため、そうした制約は複雑になることが多い。今回我々は、温室効果ガス濃度が中程度のシナリオでは、ΔP(2051~2100年の値から1851~1900年の値を引いた値の、1980~2014年の平均値に対する割合)の上限(95パーセンタイル)が、6.2%から5.2~5.7%(感度解析の最小・最大範囲)へ低下することを示す。この結果は、結合モデル相互比較プロジェクトのフェーズ5とフェーズ6のアンサンブルから得られたもので、2051~2100年のΔPは、全球の人為起源のエアロゾル排出量がほぼ一定だった1980年以降の最近数十年間の全球平均気温の推移とよく相関している。また、熱帯の雨量計観測がほとんどない地域を除くと、ΔPは過去の降水量の最近の傾向とも有意に相関している。これらの有意な相関と観測された傾向に基づいて、ΔPの分散は8~30%減少する。こうした観測的に制約されたΔPの範囲から、影響評価のためのさらに信頼できる情報が得られるはずである。

