Perspective
遺伝学:コンパニオンドッグの老化についてのオープンサイエンス研究
Nature 602, 7895 doi: 10.1038/s41586-021-04282-9
Dog Aging Projectは、数万匹のコンパニオンドッグ(愛玩犬)で行われている、老化に関する長期的な経時的研究である。飼い犬は、形態や行動、老化関連疾患リスク、寿命に関して、哺乳類動物種の中で最も変動が大きい。イヌはヒトと環境を共有しており、イヌには性能の高いヘルスケアシステムがあるが、ヒトよりずっと短命であることを考えると、健康寿命に関する遺伝因子、環境因子、それにライフスタイルに関わる因子を明らかにするための独特な機会を提供しているといえる。Dog Aging Projectでは、この機会を活用するために、広範にわたる調査データ、環境情報、獣医学における電子医療記録、ゲノム規模塩基配列情報、臨床病理、また、血球や血漿、糞便試料から得られた分子表現型の収集を計画している。本論文で我々は、Dog Aging Projectの具体的な目標と構想について述べ、このオープンデータのコミュニティー科学研究が、複雑な環境中で生きていて、遺伝学的にばらつきがあり、社会的に意味のある動物種の老化に関する理解を大きく進める可能性について論じる。

