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生態学:高分解能の採餌測定に基づくヒゲクジラの餌消費量

Nature 599, 7883 doi: 10.1038/s41586-021-03991-5

ヒゲクジラ類は、膨大な量の餌の消費と栄養塩類の再循環を通して生態系に影響を与えている。そうしたヒゲクジラ類の現在または過去の生態系での役割の規模を、それらの摂餌速度や餌消費量を測定せずに正確に評価することは困難である。これまで、大型のヒゲクジラ種の餌消費量は外挿法に基づく代謝モデルを用いて推定されてきたが、そうした推定の実測による検証は行われていない。今回我々は、7種のヒゲクジラ類に装着したタグ(タグ装着数;n = 321)と、餌密度の音響測定を併せて用い、大西洋、太平洋、南大洋における餌消費量を日単位から年単位で計算した。その結果、過去の研究では、ヒゲクジラ類の餌消費量が一部の生態系で3分の1またはそれ以下に過小評価されていたことが示唆された。南大洋だけでも、捕鯨以前のヒゲクジラ個体群によるナンキョクオキアミ(Euphausia superba)の年間消費量は4億3000万トンと算出され、これは現在推定されているナンキョクオキアミの総生物量の2倍、また、現在の世界の海面漁業の漁獲量の2倍以上に相当する。捕鯨以前の大きな個体群は、強力な栄養塩再循環によって広大な海域で高い生産力を支えていたと考えられ、我々の知見から、南大洋におけるヒゲクジラ類による鉄の再循環量が、現在は1.2 × 103トンであるのに対し、捕鯨以前は1.2 × 104トンであったことが示唆された。ヒゲクジラ類の個体数および栄養塩再循環サービスが回復すれば、生産力が強化され、20世紀の捕鯨で失われた生態系機能を取り戻せる可能性がある。

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