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免疫療法:免疫療法用に改変した細菌による腫瘍の代謝調節
Nature 598, 7882 doi: 10.1038/s41586-021-04003-2
腫瘍におけるL-アルギニンの利用可能性は、効率的な抗腫瘍T細胞応答の主要な決定要因である。従って、腫瘍内では通常低いL-アルギニン濃度を上昇させることで、PD-L1(programmed death-ligand 1)遮断抗体などの免疫チェックポイント阻害剤の抗腫瘍応答が大幅に増強できるかもしれない。しかし現在、腫瘍内L-アルギニンレベルを局所的に増加させるために利用できる手段はない。今回我々は、合成生物学的手法を用いて、大腸菌(Escherichia coli)Nissle 1917株を改変したプロバイオティック大腸菌を開発した。この大腸菌は、腫瘍に定着して、腫瘍内に蓄積する代謝老廃物であるアンモニアを継続的にL-アルギニンに変換する。これらの細菌を腫瘍に定着させると、腫瘍内L-アルギニン濃度の上昇と腫瘍浸潤T細胞数の増加が引き起こされ、腫瘍除去においてPD-L1遮断抗体との顕著な相乗効果を示した。これらの細菌の抗腫瘍効果は、L-アルギニンを介しており、T細胞に依存していた。以上の結果は、改変した微生物を用いた治療によって、腫瘍微小環境の代謝を調節し、免疫療法の効果を増強できることを示している。

