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生理学:迷走神経–副腎軸を駆動させる電気鍼治療の神経解剖学的基盤

Nature 598, 7882 doi: 10.1038/s41586-021-04001-4

体性感覚刺激による自律神経反射によって、電気鍼刺激(ES)による遠隔部位での身体生理機能の調節、例えば、重度の全身性炎症の抑制といったことが可能になる。1970年代以降、これらの反射に関して新たに出現してきた機構的ルールの1つは、体領域の特異性の存在である。例えば、マウス後肢のST36経穴(つぼ)へのESは、迷走神経–副腎抗炎症軸を駆動できるが、ST25経穴のESでは駆動できない。しかし、こうした体性局在機構の神経解剖学的基盤については不明である。今回我々は、PROKR2Creで標識される感覚ニューロン[後肢深部筋膜(例えば骨膜)を刺激するが、腹部の筋膜(例えば腹膜)は刺激しない]が、迷走神経–副腎軸の駆動に極めて重要であることを示す。PROKR2Creで標識された感覚ニューロンを除去したマウスのST36部位への低強度ESでは、後脳迷走神経遠心性ニューロンは活性化されず、副腎からのカテコールアミン放出も誘発されなかった。その結果、ESは細菌内毒素によって誘導される全身性炎症を抑制しなくなった。対照的に、ST25とST36部位への高強度ESにより誘発される脊髄交感神経反射は影響を受けなかった。また、PROKR2Creで標識された神経終末を、ST36部位を介して光遺伝学的に刺激すると、迷走神経–副腎軸を駆動するのに十分だが、交感神経反射は駆動しないことも分かった。さらに、PROKR2Creで標識された神経繊維の分布パターンから、低強度ESによって抗炎症効果が有効に生じる体の領域と生じない体の領域を逆行性に予測できた。我々の研究は、特定の自律神経経路を駆動する上での経穴の選択性と特異性の神経解剖学的基盤を提供するものである。

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