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構造生物学:完全長糖タンパク質ホルモン受容体シグナル伝達複合体の構造

Nature 598, 7882 doi: 10.1038/s41586-021-03924-2

黄体形成ホルモンと絨毛性性腺刺激ホルモンは、卵胞刺激ホルモンや甲状腺刺激ホルモンと同類の糖タンパク質ホルモンである。黄体形成ホルモンと絨毛性性腺刺激ホルモンはヒトの生殖に不可欠であり、治療薬としても重要である。この2つのホルモンは、同一のGタンパク質共役受容体である黄体形成ホルモン/絨毛性性腺刺激ホルモン受容体(LHCGR)を、その大きな細胞外ドメインに結合することによって活性化する。本論文では、LHCGRの4つのクライオ電子顕微鏡構造を報告する。2つは野生型受容体の不活性な状態と活性な状態での構造で、2つは構成的に活性な変異型受容体の構造である。活性な構造は絨毛性性腺刺激ホルモンと刺激型Gタンパク質(Gs)に結合したもので、そのうち1つにはアロステリックアゴニストであるOrg43553も結合している。これらの構造から、受容体の珍しい「プッシュ・アンド・プル」活性化機構が明らかになった。細胞外ドメインは結合したホルモンによって押され、膜貫通ドメインの隣にある伸びたヒンジループによって引っ張られる。細胞外ドメインと膜貫通ドメインの間の境界面にあるヒンジC末端ループからのよく保存されている10残基断片(P10)が、繋留されたアゴニストとして機能して、膜貫通ドメインとGタンパク質との共役でコンホメーション変化を引き起こす。Org43553は膜貫通ドメインにあるポケット(くぼみ)に結合してP10と直接相互作用し、活性なコンホメーションをさらに安定化する。従って、これらの構造は糖タンパク質ホルモン受容体によるシグナル伝達を理解するための共通のモデルとなり、内分泌疾患の治療薬創薬の基盤となる。

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