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惑星科学:初期の火星における渓谷の切り込みに対する湖の決壊による洪水の重要性
Nature 597, 7878 doi: 10.1038/s41586-021-03860-1
初期の火星の表層環境には、渓谷を形成し、湖水盆地を満たした液体の水の流れを含む、活発な水循環が存在した。こうした湖水盆地の200個以上は、湖水を閉じ込めていた地形を決壊させるのに十分な量の水に満たされており、破壊的な洪水と、排水口となる峡谷の切り込みを引き起こしていた。これまでの多くの研究で、急速に切り込まれる大渓谷に対する火星の湖の決壊による洪水の局地的な重要性は認識されてきたが、全球規模では、渓谷系は、分散された火星の水循環に関連する、より継続的な河食の記録として解釈されることが多かった。今回我々は、湖の決壊による洪水の全球的な重要性を実証し、初期の火星において湖の決壊による洪水に切り込まれた渓谷の長さは全体の約3%にすぎなかったもかかわらず、浸食された体積はそうした渓谷の少なくとも24%に相当したことを明らかにする。我々は、湖の決壊による洪水が、初期の火星において渓谷の切り込みの原因となった主要な地形形成過程であり、これが次いで、火星の多数の渓谷系の地形や、クレーターが形成された高地の幅広い地形進化に影響を及ぼしたと結論する。今回の結果は、火星の渓谷系の形成条件を再構築する際には、湖の決壊による洪水の重要性を考慮するべきであることを示している。

