Article
地球科学:誘発地震活動を理解して管理するための過程に基づく手法
Nature 595, 7869 doi: 10.1038/s41586-021-03668-z
地殻運動により負荷のかかった断層が応力の小さな増大によって破壊されるという、人間活動が誘発する地震活動について懸念が高まっている。そうした活動の例には、採鉱、貯水、地熱地帯への刺激、炭化水素や水の抽出、地下貯留層への水、CO2、メタンの注入などがある。地震の引き金となる過程を理解して制御するのに十分な情報がないため、関係当局は監視に基づく経験的な規制の枠組みを構築してきたが、その成功の程度はさまざまである。米国コロラド州レンジリー油田地帯で1970年代初期に行われた野外実験では、地下の流体圧をしきい値より大きくしたり小さくしたりするサイクルによって地震活動をオン・オフできる可能性が示唆された。今回我々は、地下の包括的かつ詳細な情報を用いて地球力学モデルと震源物理学モデルを較正する、誘発地震を管理する学際的方法論の開発、検証、実行について報告する。我々はまた、これらのモデルを、予測と、較正後に行われたその後の観測を比較して検証する。さらに我々は、地震活動が活発なイタリア南部のヴァル・ダグリ油田地帯で今回の手法を用い、炭化水素の生産地帯に適用された過程に基づく手法によって、誘発地震活動の管理に成功したことを実証する。この手法を他の場所に適用すれば、誘発地震の管理と緩和に役立つ可能性がある。

