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物性物理学:オーバードープ銅酸化物の異常金属領域におけるインコヒーレント輸送
Nature 595, 7869 doi: 10.1038/s41586-021-03622-z
異常金属には、温度に比例する抵抗率、温度の2乗に比例する逆ホール角、磁場に比例する磁気抵抗など、極めて異例な電子的特性がある。これらの多体効果による異常の起源を特定することは、バンド構造の単純な正孔ドープ銅酸化物などの物質であっても、根本的に難しいことが分かっている。広く一致した見解は、銅酸化物における異常金属性が、超伝導ドーム内のドーピングp*での量子臨界点と関係しているというものである。今回我々は、p*を超えるドーピングレベルにおいて2種類の銅酸化物超伝導体群の高磁場面内磁気抵抗を調べた。全てのドーピングにおいて、磁気抵抗はクアドラチャー・スケーリングを示すとともに、温度に対する磁場の比の値が大きいときに線形になっており、これらは、異常金属領域がp*を大きく超えて広がっていることを示している。さらに、磁気抵抗の大きさは、従来の理論による予測よりはるかに大きいことが見いだされ、不純物散乱と磁場方向の両方に対して鈍感であった。ゼロ磁場抵抗率とホール抵抗率の解析結果と併せて、これらの観測結果は、単一バンドであるにもかかわらず、銅酸化物の異常金属領域には2つの電荷領域があって、1つがコヒーレント準粒子を含み、もう1つがスケール不変の「プランク」散逸体を含むことを示唆している。

