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神経科学:ショウジョウバエの求愛では性的覚醒が視覚処理を制御する
Nature 595, 7868 doi: 10.1038/s41586-021-03714-w
長く持続する内部の覚醒状態は、進行中の行動を動機付けてパターン化し、闘争、摂餌、交尾など、動物の要求を満たす生得的行動プログラムの一時的な出現を可能にする。しかし、内部状態が感覚処理や行動を形作る仕組みについては、いまだ明らかにされていない。ショウジョウバエ(Drosophila)の雄は長く複雑な求愛儀式を行うが、この行動は性的二型性P1ニューロンの活性化によって引き起こされていて、その間、雄は雌に忠実に追従して求愛歌を歌う。今回我々は、仮想的な「雌」に求愛中の雄で記録を行い、視覚的手掛かりの明瞭度が雄の内部覚醒状態によってどのように変化し、持続的な求愛追跡を引き起こすのかについて知見を得た。LC10a視覚投射ニューロンのゲインは、求愛中に選択的に増加し、動く標的に対する感受性を強化していることが分かった。簡潔なネットワークモデルからは、LC10a回路を通る視覚信号は、ひとたびP1を介した覚醒により増幅されると、雄において雌の追跡行動をほぼ完全に指定することが示された。さらに、P1ニューロンの活動は、雄の追跡の強度における継続的な変動と相関しており、LC10a経路のゲインを持続的に調整することが明らかになった。まとめるとこれらの結果は、雄の内部状態が、忠実度の高い視覚運動回路を介して視覚信号の伝播を動的に調節し、雄のその瞬間の求愛パフォーマンスを誘導する仕組みを示している。

