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生体力学:極限流動シミュレーションによって明らかになった深海の海綿動物の骨格の適応

Nature 595, 7868 doi: 10.1038/s41586-021-03658-1

深海に生息する六放海綿類(ガラス海綿類)のカイロウドウケツ(Euplectella aspergillum)は、発見以来、その機械的特性と美しさが注目を集めてきた。その骨格系は、非晶質のケイ酸からなり、極めて規則的で階層的な円筒格子状に形成されていて、極めて高い柔軟性と損傷に対する回復力を有している。構造解析の文献が圧倒的に多いのに対し、この海綿動物の周囲と腔内の流体力学的な場はまだほとんど調べられていない。今回我々は、カイロウドウケツの骨格モチーフが、機械的特性を改善する他に、その体腔内外の流体物理学的最適化の基盤になっているのかどうかという、未解決の問題に取り組んだ。我々は、500億個を超える格子点を取り扱い、空間的に4桁の範囲をカバーする、格子ボルツマン法に基づく極限流動シミュレーションを用いた。こうしたコンピューターによる実験によって、カイロウドウケツが生息する深海底の流体力学的条件が再現された。得られた結果は、骨格モチーフによって、全流体力学的応力が低下し、流速の低い整然とした内部の再循環パターンが維持されることを示している。こうしたパターンは、おそらくこの生物の選択的濾過摂食と有性生殖に有益と考えられる。本研究によって、深海生活への並外れた適応の機構が明らかになり、流体力学と生物学と機能生態学の接点にあるこの分野のさらなる研究への道が開かれる。

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