Article

化学:プロピレン/プロパン混合物の直交配列型動的分子ふるい

Nature 595, 7868 doi: 10.1038/s41586-021-03627-8

剛性の分子ふるい材料は、小分子については大分子を完全に排除してうまく機能する。動的な分子ふるい材料を用いれば、生理化学的特性が一致する分子を分離できる可能性がある。金属有機構造体(MOF)は、構造と機能を分子レベルで精密制御できることで知られている。しかし、動的分子ふるい向けのMOF骨格における局所的柔軟性の合理的設計は依然として難しく、課題となっている。今回我々は、プロピレン(C3H6)とプロパン(C3H8)を大きく異なる圧力で受け入れる分子ポケットが組み込まれた一次元チャネルを特徴とする、MOF材料(JNU-3a)について報告する。これらのポケットの動的性質は、JNU-3aをC3H6またはC3H8の雰囲気にさらすと単結晶から単結晶への変換が起こることによって明らかになった。破過実験においては、JNU-3aが、広範な流速にわたり、等モルC3H6/C3H8混合物から単一の吸脱着サイクルで、高純度C3H6(99.5%以上)を最大53.5 l kg−1というC3H6生産性で実現できることが実証された。基盤となる分離機構(直交配列型動的分子ふるい)によって、大きな分離能と速い吸脱着速度の両方が可能になる。今回の研究は、吸着分離に応用できる可能性がある次世代ふるい材料の設計を提示するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度