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無機化学:アインスタイニウム錯体の構造的および分光学的な特性評価

Nature 590, 7844 doi: 10.1038/s41586-020-03179-3

超プルトニウム元素(原子番号95~103)は、周期表の端に位置する金属群である。結果として、遷移金属、典型元素、ランタノイドの物理や化学の予測や制御に用いられるパターンや傾向は、超プルトニウム元素にはあまり適用できない。さらに、こうした重元素の特性の理解は、その希少性と放射能によって制限されてきた。これは特に、現在、古典的なマクロスケールの研究を可能にするのに十分な量を生成可能な周期表の元素の中で最も重い、アインスタイニウム(Es)に当てはまる。今回我々は、200 ng未満の254Es(半減期275.7(5)日)を用いて、ヒドロキシピリジノン系有機キレート配位子を有するアインスタイニウム錯体の特性評価を行った。そして、X線吸収分光研究と構造研究を用いて、アインスタイニウムのL3端エネルギーと結合距離を決定した。光物理的測定によってEsIII発光のアンテナ増感が示され、これらの測定からはまた、より原子番号の小さいアクチノイド元素ではこれまで観察されていなかった、金属錯体形成時の浅色シフトも明らかになった。これらの知見は、ラッセル–ソーンダース結合よりもjj結合(単一電子の軌道角運動量とスピンがまず結合して全角運動量jとなる)が優勢になる中間的なスピン–軌道結合様式を示している。今回の結果は、以前のアクチノイド錯体形成研究と合わせて、アクチノイド元素、特に希少かつ短寿命なものの異常な挙動の研究を続ける必要性を浮き彫りにしている。

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