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発生生物学:一連のErk活性波による骨芽細胞再生の制御
Nature 590, 7844 doi: 10.1038/s41586-020-03085-8
再生は、組織を元のサイズと形状に回復させる、複数事象の複雑な連続である。適切な形態形成に必要な、細胞動態の組織全体での調整は、再生している体の部分が大きいと困難になる。生化学的経路のフィードバック機構によって、長距離にわたる効果的な情報伝達が可能になるが、それらが組織再生中に増殖を調節する仕組みは解明されていない。今回我々は、ゼブラフィッシュの再生中の鱗(防護甲冑の役目を果たすミリメートルサイズの円盤)では、Erk活性の律動的な進行波が、骨の成長を時間的・空間的に制御していることを報告する。我々は、Erk活性の波が、骨芽細胞集団を中央の発生源から同心円状に広がりながら移動していき、環状の組織成長パターンを誘導することを見いだした。我々は、理論的分析と実験的解析を組み合わせて用いて、Erk活性が約2日で鱗全体を通る興奮性トリガー波として伝播していくこと、そして波の発生頻度が鱗の再生速度を制御することを示す。さらに、進行波の代わりに、Erkの組織全体にわたる同期的活性化を周期的に誘導すると組織の成長が低下したことから、波状に分散するErkの活性化が再生のカギだと考えられる。我々の知見は、トリガー波が再生の際に細胞の挙動を調整し、組織の形態を指示する調節戦略の1つであることを明らかにしている。

