材料科学:安定な記憶を有する再プログラム可能な機械的メタマテリアル
Nature 589, 7842 doi: 10.1038/s41586-020-03123-5
メタマテリアルは、基本的な構造レイアウトを幾何学的に並べることによって、エキゾチックな物理的特性を実現するように設計されている。従来の機械的メタマテリアルは、目標とするポアソン比や形状変換などの機能性を単位セルの最適化によって実現しており、空間的に不均一であることが多い。こうした機能性は、変更できない形でメタマテリアルのレイアウトにプログラムされている。最近の試みでは、こうした特性を作製後に調整する手段が生み出されているが、要求に応じて各単位の書き込みや読み出しがリアルタイムでできる、ハードディスクドライブのようなデジタルデバイスの機械的な再プログラム可能性に類似した特性は実証されていない。今回我々は、単位セルのレベルで安定した記憶を有する敷き詰め可能な機械的メタマテリアルの設計フレームワークを用いて、この課題を克服した。我々の設計は、デジタルビットに類似した物理的なバイナリ要素(mビット)の配列で構成されており、書き込み段階と読み出し段階が明確に記述される。各mビットは、双安定な殻構造の平衡状態の間を移動させる磁気的駆動を用いて、2 つの安定状態(記憶として機能する)を独立かつ可逆的に切り替えることができる。変形下では、各状態は明確に異なる機械的応答を伴うが、この応答は完全に弾性的で、系が再プログラムされるまで可逆的にサイクル動作させることができる。敷き詰めた配列にバイナリ命令セットをエンコードすると著しく異なる機械的特性が得られ、具体的には、剛性と強度を1桁以上の範囲にわたって変化させることができた。我々は、この設計パラダイムにおける機械的特性の安定した記憶とオンデマンドの再プログラム可能性によって、先進的な形の機械的メタマテリアルの開発が促進されると予想する。

