Article

気候科学:大気中の二酸化炭素データから推定される中国の大規模な陸域炭素シンク

Nature 586, 7831 doi: 10.1038/s41586-020-2849-9

全球平均気温の上昇の抑制は、二酸化炭素(CO2)排出量の削減と陸域炭素シンクによるCO2除去に依存している。中国は現在、世界最大のCO2排出国で、2017年には全球の化石燃料排出量の約27%(年間2.67ペタグラム炭素)を排出していた。中国の陸上生物圏フラックスの理解は、データが得られている地域がまばらなため進んでおらず、フラックスの事後評価の幅が広くなっている。本論文では、最近利用可能になった、中国全土の6つの地点で2009〜2016年に測定された大気中CO2のモル分率に関するデータを提示する。我々はこれらのデータを用いて、2010〜2016年の中国の平均陸域炭素シンクを年間−1.11 ± 0.38ペタグラム炭素と見積もった。この値は、この期間の中国の人為起源の年間排出量としての見積もりの約45%に相当する。今回の見積もりは、中国南西部(雲南省、貴州省、広西チワン族自治区)では1年を通して、中国東北部(特に黒竜江省と吉林省)では夏季において、陸域炭素シンクがこれまで過小評価されていたことを反映している。これらの省や自治区では、急速に植林される地域が次第に拡大するというパターンが確立されており、省の森林面積は過去10〜15年間で年間4万〜44万ha増加している。こうした大規模な変化は、木材の輸出と紙の国内生産に寄与する成長の速い植林地の拡大を反映している。宇宙からの植生の観測結果は、今回の研究期間にわたって植生の緑度が時間とともに大幅に増加していることを示しており、これらの植林地域における陸域炭素シンクの時期と増加を裏付けている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度