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天文学:着陸機フィラエが明らかにした彗星巨礫内の圧縮強度の低い始原氷

Nature 586, 7831 doi: 10.1038/s41586-020-2834-3

2014年11月12日、着陸機フィラエは67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に向けて降下し、地表で2回バウンドした後、アビドス(Abydos)地域にある張り出した崖の下に着地した。この着陸過程から、彗星核の特徴を解明する数々の手掛かりが得られた。本論文では、今まで発見されていなかった2回目の接地場所を調べた結果について報告する。フィラエは、彗星を横切る移動において、この場所で2分間近くを費やし、2つの互いに隣接する彗星巨礫の表面に4つの異なる接触痕を作った。フィラエは、巨礫間の裂け目を通過する際に、内部の始原的な水氷、すなわち彗星が形成された45億年前からある水氷を露出させた。19か月後に行われた複数の装置を用いた観測によって、この水氷が、至る所にある黒ずんだ有機体に富む物質と混ざっており、局所的なダスト/氷質量比が2.3+0.2−0.16:1であることが見いだされた。この値は、アウトバーストによって露出した新鮮な水氷や影の中にある水氷においてこれまでに観測された値と一致する。フィラエは、裂け目の端で巨礫の氷に0.25 mの深さの跡を残しており、これによって、始原的な氷の圧縮強度が非常に低いこと(12 Pa未満で、降り積もったばかりの軽い雪よりも柔らかい)を裏付けるin situ測定結果が得られるとともに、巨礫の氷内部の空隙率(75 ± 7%)という重要な推定が可能になった。今回の結果から、彗星着陸機が揮発性物質に富む氷の試料へ接近しようとする際の制約条件が得られる。

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