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遺伝学:骨髄増殖性腫瘍の遺伝性リスクは造血幹細胞に影響を及ぼす
Nature 586, 7831 doi: 10.1038/s41586-020-2786-7
骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、成熟骨髄細胞の過剰産生を特徴とする血液がんであり、造血幹細胞(HSC)における体細胞ドライバー変異の獲得によって生じる。疫学研究でMPNは遺伝的要素が大きいことが示されており、既知のがんの中で最も遺伝性が高いものの1つである。しかし、特定されている遺伝的リスク座位の数は限られていて、MPNの獲得につながる生物学的原因機構は分かっていない。今回我々は、大規模なゲノム規模関連解析(症例3797例と対照115万2977例)により、17のMPNリスク座位を突き止めた(P < 5.0 × 10−8)。このうちの7座位はこれまでに報告されていなかったものである。MPNリスクと、異なる細胞系譜のいくつかの造血形質との間に共通の遺伝的構造があることが分かった。つまり、HSCの接近可能なクロマチン内にMPNリスクバリアントが豊富に存在しており、MPNリスクの上昇は白血球および他のクローン性造血状態でのテロメア長がより長いことに関連していた。これらは総合すると、MPNリスクがHSCの機能および自己複製に関連していることを示唆している。我々は、遺伝子マッピングを用いて、MPNリスクに結び付くHSCの生物学的性質のモジュレーターを特定し、標的化したバリアント–機能アッセイから、CHEK2とGFI1BがHSCの機能を変化させて疾患リスクを与える役割を持つことを示す。まとめると我々の結果は、MPNの遺伝性リスクが、HSC機能の変化を介するというこれまで認識されていなかった機構を明らかにしている。

