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材料科学:コブゴミムシダマシの鞘翅の高靭性化機構
Nature 586, 7830 doi: 10.1038/s41586-020-2813-8
人工構造物においては、プラスチックと金属など、異種材料を接合することが依然として課題となっている。現在この目的で用いられている手法の例として、機械的結合、従来の溶接、接着剤による接合があるが、これらの手法にはそれぞれ、環境曝露下での応力集中部の形成や劣化、強度の低下、早期破壊の発生など、特有の問題がある。多くの動植物種の生体組織では、並外れた機械的特性を持つ複合材料を合成、構築、一体化する効率的な戦略が進化してきた。中でも印象的な例は、コブゴミムシダマシの一種Phloeodes diabolicusの外骨格の前翅(鞘翅)に見られる。砂漠に生息するこの昆虫は、飛行して捕食者から逃げる能力はないが、その鞘翅は、複雑な傾斜界面によってもたらされる極めて高い耐衝撃性と耐圧縮破壊性を有する。今回我々は、先進的な顕微鏡法、分光法、in situ機械試験を用いて、この甲虫の外骨格内におけるマルチスケール構造設計を特定するとともに、そうした設計の結果として得られる機械的応答と高靭性化機構を調べた。我々は、一連の互いにかみ合った鞘翅間接合部に焦点を合わせた。この鞘翅間接合部では、その楕円形状と積層微細構造が、破局的破壊を回避しつつ、機械的なかみ合いと臨界ひずみにおける高靭性化をもたらしていることが分かった。これらの観察結果は、異種材料接合向けの高靭性、耐衝撃性、耐圧縮破壊性材料の開発に適用できる可能性がある。我々はこのことを、よく用いられる人工接合部と比較して靭性の大幅な向上を示す鞘翅間接合部の構造を生体模倣複合材料から形成することによって実証した。

