Article

流体力学:浮揚している液体の下に浮く

Nature 585, 7823 doi: 10.1038/s41586-020-2643-8

液体層は、より密度が小さい媒質の上に置かれた場合には通常、その液体層が特定のサイズを超えると、液体の下側界面に重力が作用してレイリー・テイラー不安定性と呼ばれる不安定化効果を引き起こすため下方に崩壊する。液体の落下を防ぐために開発された数多くの方法のうち、鉛直方向に振動させる方法の有効性が証明されたため、これが詳しく調べられている。安定化は、振動する有効重力の動的な平均化効果の結果である。液体の振動では、気泡の沈降や、流体柱中の重い物体の予想外の高さでの安定化など、他の奇妙な現象も誘起される。今回我々は、支持空気層の励起共振を利用して、体積が最大0.5 l、幅が最大20 cmの大きな浮揚液体層で実験を行った。さらに我々は、鉛直方向に振動させると液体の下側界面上に安定な浮力位置ができ、これがあたかも重力が逆転したように振る舞うことを理論的に予測し、実験的に示した。つまり、物体は、浮揚液体層の下側界面上で上下逆さまに浮くことができる。我々は今回のモデルを使って、このような逆転した浮遊体の落下を防ぐのに必要な最小励起を予測した。この最小励起は、浮遊体の質量に依存する。実験による観測結果から、重い物体が選択的に落下する可能性があることが確認された。今回の知見は、このエキゾチックで直観に反する安定な配置における全ての界面現象の再検討を促すものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度