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材料科学:シリコン上に直接成長させた超薄膜の増強された強誘電性
Nature 580, 7804 doi: 10.1038/s41586-020-2208-x
極めて薄い強誘電材料によって、ペロブスカイト強誘電体で低電力の正方晶系の論理回路や不揮発性メモリーが実現される可能性がある。しかし、強誘電材料は、薄くすると強誘電性が抑制されるのが普通である。強誘電体のサイズ効果は、典型的な強誘電体系であるペロブスカイト酸化物において徹底的に調べられてきた。だが、ペロブスカイトはこれまでのところ、厚さのスケーリングや最新の半導体プロセスを用いた集積化には適していないことが分かっている。本論文では、原子層蒸着によってシリコン上に成長させた蛍石型構造の酸化物である、ドープした酸化ハフニウム(HfO2)の超薄膜における強誘電性について報告する。我々は、反転対称性の破れと、自発的でスイッチング可能な分極が、厚さ1 nmまで持続することを実証する。これらの結果は、ペロブスカイト強誘電体とは異なり、強誘電体の臨界厚さが存在しないだけでなく、膜厚が薄くなると極性ひずみが増大することも示している。極薄層の強誘電性を増強するこの方法によって、分極によって駆動されるメモリーや強誘電体を使った先進的なトランジスター実現への道筋が得られる可能性がある。今回の研究は、強誘電性の基本的な限界の探究を、より単純な遷移金属酸化物系へと、すなわち、ペロブスカイト由来の複合酸化物から、直観に反した「逆」のサイズ効果によって超薄領域の極性対称性が安定化される蛍石型構造の二元酸化物へと移行させるものである。

