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分子生物学:治療抵抗性のがん細胞ではBORISがクロマチン調節性相互作用を促進する
Nature 572, 7771 doi: 10.1038/s41586-019-1472-0
CCCTC結合因子(CTCF)は、ゲノムを構造化したドメインへと組織化するDNAループをつなぎ留め、遺伝子とその調節エレメントとの間の相互作用を促進したり制限したりすることで遺伝子制御に重要な役割を果たしている。がん細胞では、体細胞変異やDNAの過剰メチル化によって特定の座位でCTCFの結合が妨げられてループが係留されなくなり、その結果がん遺伝子が活性化される。これとは対照的に、CTCFの生殖系列細胞特異的なパラログであるBORIS(brother of the regulator of imprinted sites;別名CTCFL)は複数のがんで過剰発現されているが、悪性な表現型への関わりについては不明である。今回我々は、ALKが変異しMYCNが増幅している神経芽細胞腫細胞では、BORISの異常な発現増加がクロマチン相互作用を促進し、ALK阻害に対する抵抗性が生じることを明らかにする。このような細胞は、抵抗性獲得の間に再プログラム化されて別の表現型を持つようになる。この過程は、最初にMYCNの発現が失われ、次にBORISが過剰発現し、それに伴って細胞がMYCN依存性からBORIS依存性に切り替わるのが特徴である。その結果、BORISに調節されてクロマチンのループ形成が変化し、スーパーエンハンサーが形成されて一群の前神経転写因子の異所性発現が促進され、これが最終的に抵抗性表現型を形作る。これらの結果は、特定のがんの表現型の維持を助ける調節性クロマチン相互作用を促進するという、BORISのこれまで知られていなかった役割を明らかにするものである。

