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工学:デジタルマイクロ流体工学のためのイオン性界面活性剤を介するエレクトロディウェッティング

Nature 572, 7770 doi: 10.1038/s41586-019-1491-x

デジタルマイクロ流体工学と呼ばれる、電気信号を用いて基板上の液滴を操作する技術は、光学や生物医学への応用、熱的応用、エレクトロニクスへの応用に用いられ、市販の液体レンズや診断キットの開発につながっている。そうした電気的アクチュエーションは主にエレクトロウェッティングによって実現されており、印加電圧に応答して液滴が導電性基板に引き寄せられたり、導電性基板上で広がったりする。強力かつ実用的なアクチュエーションを確実に行うために、基板は、誘電体層と誘電体上のエレクトロウェッティング(electrowetting-on-dielectric;EWOD)用の疎水性トップコートで覆われるが、これによってアクチュエーション電圧は約100 Vまで高くなり、絶縁破壊、帯電、生物付着が起こって信頼性が損なわれる可能性がある。今回我々は、層の追加を必要とせずに、電気信号を用いて、液体による親水性導電性基板のウェッティングではなくディウェッティングを誘起する液滴操作を実証する。エレクトロウェッティングとは現象論的に逆である、このエレクトロディウェッティング機構では、液体と基板の相互作用は、電場によって直接制御されるのではなく、イオン性界面活性剤が電場に誘起されて基板に付着したり基板から脱着したりすることによって制御される。我々は、このアクチュエーション機構が、空気中でドープシリコンウエハー上の水を使ってデジタルマイクロ流体工学の基本的流体操作を全て実行でき、駆動電圧はわずか±2.5 Vで電流は数マイクロアンペアであり、イオン性界面活性剤の濃度は臨界ミセル濃度の約0.015倍であることを示す。このシステムは、一般的な緩衝液や有機溶媒を扱うこともでき、幅広く応用される単純で確実なマイクロ流体工学プラットフォームとなると期待される。

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