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物性物理学:銅酸化物接合のショット雑音によって明らかになった擬ギャップ状態における電子対形成

Nature 572, 7770 doi: 10.1038/s41586-019-1486-7

銅酸化物の高温超伝導を理解しようとする取り組みでは、擬ギャップ、すなわちバルクの臨界温度より高い温度での「常伝導」状態のフェルミ面の一部に開いた部分的なエネルギーギャップに、議論の重点が置かれてきた。擬ギャップは、超伝導の前駆現象、あらかじめ形成された電子対の存在、電荷密度波などの競合秩序によって説明されている。キャリアの電荷を、温度とバイアスの関数として直接測定すれば、こうした選択肢の識別に役立つ可能性がある。本論文では、分子線エピタキシーを使っていくつかのドーピングレベルで原子層ごとに作製した、高品質のLa2−xSrxCuO4/La2CuO4/La2−xSrxCuO4(LSCO/LCO/LSCO)ヘテロ構造でトンネリング電流のショット雑音を測定した結果を報告する。得られたデータからは、バイアス電圧–温度空間に3つの異なる領域が存在することが示された。超伝導ギャップ領域の十分外側では、ショット雑音は個々の電荷キャリアの独立したトンネリングと定量的に一致していた。超伝導ギャップの深部では、ショット雑音は大きく増強されており、これは多重アンドレーエフ反射によく似ている。臨界温度より高い温度の、超伝導ギャップよりずっと大きなバイアスには、ショット雑音が単一電荷トンネリングに対する理論予測を大幅に上回る広い領域が存在しており、これは電荷キャリアの対形成を示している。こうした対は、温度とバイアスの擬ギャップ領域の深部で検出可能であった。こうした対の存在によって擬ギャップと対称性が破れた状態に関する現行モデルが絞り込まれ、位相ゆらぎによって超伝導ドメインが制限される。

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