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微生物学:マウスでは腸マイクロバイオームと代謝物がALSを調節する役割を持つ可能性がある

Nature 572, 7770 doi: 10.1038/s41586-019-1443-5

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は複雑な神経変性疾患であり、その臨床症状は遺伝的因子や未知の環境因子に影響を受けている可能性がある。今回我々は、ALSを発症しやすいSod1トランスジェニック(Sod1-Tg)マウスでは、動物施設依存的な発症前のディスバイオーシスおよび代謝物構成の変化が見られ、加えて無菌状態または広域抗生物質投与後の病状の悪化が起こることを示す。我々の動物施設における11種類の異なる片利共生細菌とマウスのALS重篤度とを相関させ、抗生物質を投与したSod1-Tgマウスにそれらの菌を個別に補充することにより、Akkermansia muciniphila(AM)はALSの症状を軽減させるのに対して、Ruminococcus torquesParabacteroides distasonisはこの症状を悪化させることを実証する。さらに、AMを投与されたSod1-Tgマウスでは、中枢神経系にAMと関連したニコチンアミドの蓄積が見られ、ニコチンアミドの全身的な補充は、Sod1-Tgマウスで運動症状と脊髄における遺伝子発現パターンを改善した。ヒトでは、ALS患者と家族内対照群を比較した小規模の予備研究で、マイクロバイオームと代謝物構成が異なること(ALS患者では全身と脳脊髄液中でニコチンアミドレベルが低下しているなど)が明らかになった。マウスでは環境要因により引き起こされるマイクロバイオームと脳の相互作用がALSを調節し得ることが示唆され、我々はヒトのALSでの同様の研究が必要と考える。

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