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気候科学:人為起源のエアロゾルに対する平均雲水量の弱い応答
Nature 572, 7767 doi: 10.1038/s41586-019-1423-9
雲に対する人為起源のエアロゾルの影響を通した地球の気候の寒冷化は、温室効果ガスによる温暖化をある程度相殺するが、その割合は分かっていない。エアロゾルによって生じる液相の雲の雲水量の増加は、降雨形成の抑制を通してかなりの寒冷化をもたらすと想定されており、これは、地球の表面温度が人為的な強制力に対して極めて敏感であることを示唆していると思われる。本論文では、汚染されていない雲と比べて、液相の雲の雲水量は、エアロゾルによって大きく増加するのではなく、平均的に比較的小さく減少するという観測による直接証拠を示す。石油精製所、製錬所、石炭火力発電所、都市、山火事、船舶などのさまざまな人為的排出源の風下にある汚染された雲の測定から、エアロゾルに起因する雲水は、降雨形成の抑制によって増加するとともに、雲水の蒸発の増強によって減少し、両者の影響が部分的に相殺されることが明らかになった。我々は、観測された雲水の減少によって、エアロゾルにより生じる雲粒濃度の増大に起因する全球の寒冷化効果が23%相殺されると見積もっている。今回の知見によって、気候が雲水の増加によりかなり寒冷化するという仮説の説得力が弱まり、将来の気候予測における不確かさが減ることになる。

