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発生生物学:心臓形成の単一細胞解析から器官レベルの発生異常の基盤が明らかになる

Nature 572, 7767 doi: 10.1038/s41586-019-1414-x

器官形成では、さまざまな細胞タイプの統合が起こる。細胞タイプ特異的な遺伝子ネットワークの調節異常により先天異常が生じ、これらは生児出生の5%に見られる。先天性心疾患は最も一般的な奇形であり、心臓前駆細胞の別個のサブセットが破壊されるために生じるが、個々の前駆細胞における、器官レベルの異常につながる転写変化は分かっていない。今回我々は、単一細胞RNA塩基配列解読を用いて、正常と異常の心臓形成過程で指定が起こる際の初期心臓前駆細胞を調べ、特定の細胞亜集団の調節異常が重篤な結果を引き起こす仕組みを明らかにする。細胞系譜を指定する転写因子を予測する、単一細胞RNA塩基配列解読解析のためのネットワークベースの計算法から、Hand2ヌルマウスでは右室形成が見られないにもかかわらず、Hand2は右室細胞の指定因子ではなく、流出路細胞の指定因子であることが分かった。Hand2ヌル胚の経時的単一細胞トランスクリプトーム解析から、流出路心筋の指定が起こらず、また右室心筋は指定されるものの適切に分化・移動できないことが明らかになった。またHand2の喪失は、レチノイン酸シグナル伝達の調節異常および心臓前駆細胞の前後パターン形成の破壊につながった。この研究は、個々の心臓前駆細胞の運命と分化を指定する転写決定因子を明らかにして、単一細胞の分解能で心臓の発生が破壊される機構を示しており、これによって先天性心疾患を調べるための枠組みがもたらされる。

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