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分子生物物理学:ゲノムプロセシング酵素の回転をDNA折り紙で作った回転子を使って追跡する

Nature 572, 7767 doi: 10.1038/s41586-019-1397-7

転写や複製、修復などの多くのゲノムプロセシング反応では、DNAの回転が起こる。回転するビーズを使う追跡法(rotor bead tracking)やangular optical trapping法、磁気ピンセットのようなDNAの回転を直接測定する方法に助けられて、RNAポリメラーゼ(RNAP)、ジャイレース、ウイルスのDNAパッケージングモーター、DNA組換え酵素などのさまざまなゲノムプロセシング酵素の作用機構が明らかになっている。DNA回転の測定は、ゲノムプロセシング反応の理解を大きく様変わりさせると考えられるが、DNA回転の測定はいまだに難しい作業である。既存の手法の時間分解能は、生理的条件下で多くの酵素が引き起こす回転を追跡するには不十分であり、測定のスループットも低いのが普通である。本論文では、折り紙回転子を用いた画像化・追跡(origami-rotor-based imaging and tracking;ORBIT)法について述べる。これは蛍光標識したDNA折り紙製の回転子を用いて、DNAの回転を単一分子レベルで追跡する方法で、その時間分解能はミリ秒程度である。我々は、ORBIT法を使ってDNA修復に関わるヘリカーゼであるRecBCD複合体がDNAを巻き戻す際に生じるDNA回転と、RNAPによる転写で生じたDNA回転を追跡した。RecBCDによってDNAが巻き戻される間に起こる一連の事象(開始、連続的な転位、一時的停止、後退など)を詳しく調べたところ、ATP非依存的なDNAの可逆的巻き戻しとRecBモーターが関与する開始機構が明らかになった。RNAPによる転写の際には、塩基対1個を巻き戻すのに相当する回転ステップが直接観察された。ORBIT法は、タンパク質とDNAの間に存在するさまざまな相互作用の研究を可能にすると、我々は予想する。

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