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人類学:アウストラロピテクス・アフリカヌスの歯の微量元素の特徴から明らかになった、季節的な食餌のストレス

Nature 572, 7767 doi: 10.1038/s41586-019-1370-5

絶滅ヒト族の詳細な食行動の再構築は困難で、それは、歯の形態が非常に多様で幅広い食餌の摂取が示唆されているアウストラロピテクス・アフリカヌス(Australopithecus africanus)のような種では特に難しい。絶滅ヒト族の、利用可能な食餌の季節的な変動に対する食餌応答はほとんど解明されておらず、授乳行動の理解はさらに進んでいない。現在入手可能な直接情報の大半は、ホモ・サピエンス(Homo sapiens;現生と化石の両方)、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)、そして現生の類人猿に関する地球化学的な高分解能の微量元素分析から得られたものである。今回我々は、南アフリカ・スタークフォンテンの部層4から出土した、年代が260万~210万年前と推定されるアウストラロピテクスの標本2点に、高分解能の微量元素分析法を適用した。得られた微量元素のシグナルからは、アウストラロピテクスの乳児が生後1年間は主に母乳を摂取していたことが示された。この授乳期の後には周期的な元素パターンが認められ、こうしたパターンは現代の野生霊長類や他の哺乳類に見られる季節的な食餌シグナルに類似していることから、食餌の利用可能性が不規則であったと示唆される。こうした結果は、栄養の乏しい地域が支配的な地理的範囲を示す同位体的証拠によって支持された。アウストラロピテクスの歯に認められるリチウムの周期的な蓄積もまた、その生活域が資源の変動によって特徴付けられ、アウストラロピテクスがこうした不安定性に対する生理学的適応を備えていたとする見方を裏付けている。本研究は、栄養的に厳しい時期には母乳の摂取が周期的に再開されていた可能性(この行動は現生の野生オランウータンに見られる)など、アウストラロピテクスの食餌の利用可能性への応答としての食餌周期と生態学的行動について手掛かりを提供するものである。これらの歯に関して得られた今回の地球化学的な知見は、アウストラロピテクスが化石記録において占めている特別な位置付けを強化するものであり、アウストラロピテクス類が南アフリカで絶滅した約200万年前という年代の直前のものと推定されるこれらの標本に、食餌のストレスが認められることを示している。

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