Letter

物性物理学:鉄系超伝導体における非常に不均一な超流体

Nature 571, 7766 doi: 10.1038/s41586-019-1408-8

非従来型強相関超伝導体の超流体が空間的に変動している可能性が示唆されているが、もし存在するとすれば、そうした不均一性が乱れや強い散乱などの要因によって駆動されるのかどうかは分かっていない。今回我々は、原子分解能のジョセフソン走査型トンネル顕微鏡法を用いて、鉄系超伝導体FeTe0.55Se0.45に非常に不均一な超流体が存在することを明らかにする。超伝導体の形状特性と電子特性を同時に測定することで、超流体に見られるこの不均一性が、構造的乱れや強いポケット間散乱に起因せず、電子対の破壊に必要なエネルギーのばらつきとも相関しないことが見いだされた。そうではなく、局所スケールで超流体の密度と準粒子の強さ(コヒーレンスピークの高さ)の間には、はっきりとした空間的相関が見られた。この結果によって、鉄系超伝導体は、巨視的スケールで類似の関係が観測されている銅酸化物超伝導体と対等な立場に置かれることになる。今回の結果から、非従来型超伝導体には非常に不均一な超流体が存在することが立証され、不均一性の原因として化学的乱れやバンド間散乱が除外されるとともに、準粒子の性質と超流体密度との間の関係が明らかになった。今回の手法は、さまざまな温度で繰り返し実施されれば、非従来型超伝導体の臨界温度がどういった局所的機構や大域的機構によって制限されるのかを解明する上でさらに役立つ可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度