Letter

化学:水中での化学選択的アミノニトリルカップリングによるペプチドライゲーション

Nature 571, 7766 doi: 10.1038/s41586-019-1371-4

アミド結合形成は、化学と生物学の両方において最も重要な反応の1つである。しかし、ペプチドライゲーション部位で20種のタンパク質構成アミノ酸を全て許容するα-ペプチドライゲーションを水中で実現する化学的方法は、今のところ存在しない。普遍的遺伝暗号は、ペプチドの生物学的役割が生物の最終普遍共通祖先よりも古く、ペプチドが生命の起源に必須の役割を果たしたことを立証している。クエン酸回路、非リボソームペプチド合成、ポリケチド生合成で硫黄が重要な役割を果たしていることは、生命の進化においてチオエステル依存性ペプチドライゲーションがRNA依存性タンパク質合成よりも先に現れたことを示している。しかし、ロバストなアミノアシルチオエステル形成機構は、実証されていない。今回我々は、前生物的に妥当な分子(硫化水素、チオアセテート、フェリシアニド、シアノアセチレン)のみを利用して水中でα-ペプチドを生成する化学選択的で高収率のα-アミノニトリルライゲーションを報告する。このライゲーションは、極めてα-アミノニトリルカップリングに選択的であり、20種のタンパク質構成アミノ酸残基全てを許容する。水中でのペプチドライゲーションは2つの必須の特徴によって可能になる。つまり、α-アミノニトリルは、その反応性とpKaHによって中性pHでのライゲーションに適合可能になり、N-アシル化はペプチド生成物を安定化し、ペプチド前駆体を活性化して、(生物類似の)NからCへのペプチドライゲーションを進める。今回のモデルは、前生物的なアミノニトリル合成と生物的なα-ペプチドとを1つにまとめるもので、短いN-アシルペプチドニトリルが初期進化時の妥当な基質であったことを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度