Article
発生生物学:哺乳類のさまざまな器官や種に対して横断的なlncRNAの発生動態
Nature 571, 7766 doi: 10.1038/s41586-019-1341-x
ヒトや他の哺乳類のゲノムでは、多くの長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)が特定されているが、これらのエレメントの系統的な機能的特徴付けは十分に行われていない。特に、lncRNAの器官発生への関与はほとんど調べられていない。今回我々は、7つの動物種(ヒト、アカゲザル、マウス、ラット、アナウサギ、ハイイロジネズミオポッサム、セキショクヤケイ)において、7つの主要器官の初期器官形成から成体期までの発生時点にわたってlncRNAの発現パターンを解析した。その結果、各動物種において約1万5000〜3万5000の候補lncRNAが特定され、それらのほとんどが種特異性を示すことが分かった。我々は、発生段階にわたるlncRNAの発現パターンの特徴付けを行い、発生段階にわたって動的な発現パターンを示す多くのlncRNAが機能性に対する濃縮シグネチャーを示すことを見いだした。発生過程では、広範に発現する保存されたlncRNAから、細胞系譜や器官に特異的なlncRNAの数が増加するように移行した。我々の研究は、哺乳類の器官発生に横断的な候補lncRNAとそれらの発現パターン、そして進化的保存についての情報源となる。

