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材料科学:柔粘性結晶における巨大圧力熱量効果

Nature 567, 7749 doi: 10.1038/s41586-019-1042-5

冷却は、例えば食品貯蔵や空調に用いられるなど、現代社会に極めて重要であり、世界の電力の25~30%の電力が冷却で消費されている。現行の冷却技術には主として従来型の蒸気圧縮サイクルが使われているが、この技術に用いられる物質は地球温暖化係数が高いため、環境への懸念が高まっている。有望な代替技術として、ここ数十年で固体の熱量効果に基づく冷却技術が注目されるようになった。しかし、現在の熱量材料は、等温エントロピー変化が小さく駆動磁場が大きいため性能に限りがあり、応用が制限されている。今回我々は、柔粘性結晶と呼ばれる無秩序固体における巨大圧力熱量効果(CBCE)について報告する。圧力熱量効果とは、圧力に誘起される相転移による冷却効果である。代表的な柔粘性結晶ネオペンチルグリコールで得られたエントロピー変化は、室温付近で約389 J kg−1 K−1であった。圧力を変化させた中性子散乱測定から、このCBCEが、柔粘性結晶の大きな分子配向無秩序性、巨大な圧縮率、高い格子ダイナミクス非調和性の組み合わせに起因すると考えられることが明らかになった。今回の結果は、柔粘性結晶におけるCBCEの微視的機構を確立し、次世代固体冷却技術への道を開くものである。

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