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タンパク質設計:直交性タンパク質ヘテロ二量体のプログラム化可能な設計

Nature 565, 7737 doi: 10.1038/s41586-018-0802-y

2本のDNA鎖間、あるいはタンパク質とDNAの間の相互作用の特異性は、DNAやタンパク質の骨格から離れた塩基や側鎖(例えば、二重らせん中のワトソン・クリック型塩基対に関わっている塩基や、TALEN–DNA複合体中のDNAに接触しているアミノ酸側鎖)を変更することによって得られることが多い。これとは対照的に、タンパク質間相互作用の特異性には骨格形態の相補性が関わっていることが普通で、これはDNA塩基やアミノ酸側鎖ほどモジュール性が高くないため、一般化しにくい。例外の1つがコイルドコイルの形をとっているヘテロ二量体だが、ヘテロ二量体の界面を横切る相互作用の幾何学的制約(7つの残基からなる反復配列のaとdの位置に主として生じる)のために、単純に側鎖の相互作用を変化させるだけで作製できる直交性ペアの数は限られたものとなる。今回我々は、タンパク質同士の相互作用の特異性が、広範囲にわたるモジュラー型の側鎖水素結合ネットワークの使用により達成できることを明らかにした。Crickのタンパク質生成に関する式を使って、ヘリックス4本からなり、中央の軸の周りの超らせん化の程度がさまざまな骨格を数百万種作り出した。次に、広範囲にわたる水素結合ネットワークを収容できる骨格を選び出し、さらにRosettaを使ってヘリックス対を短いループで結び付け、残りの配列を最適化した。設計したうちの97の骨格を大腸菌(Escherichia coli)中で発現させたところ、そのうち65が構成的なヘテロ二量体を形成した。このうち4つの結晶構造は、計算機モデルと非常によく一致し、設計通りの水素結合ネットワークが確認できた。細胞では6種類のヘテロ二量体が完全に直交性で、in vitroでは(16種類の設計したヘテロ二量体からの32種類の鎖を混合し、5 M塩酸グアニジンで変性して再びアニーリングする)、ネイティブ質量分析で観察された相互作用のほとんど全てが、設計されたのと同じペア間の相互作用だった。直交性タンパク質ヘテロ二量体を設計できることになれば、タンパク質に基づく精緻な制御論理が合成生物学で使えるようになる。また、このような設計が可能という今回の結果からは、自然界では、プログラム化可能な生体分子間相互作用という方式が持つ可能性が十分に活用されていないことが明らかになった。

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